自動車の鍵を車内に置いたままドアを閉めてしまう「インロック」は、外出先や旅行先で発生しやすい典型的な緊急トラブルです。特に、真夏の炎天下や冬の雪山など、過酷な環境下で車外に締め出されることは命の危険にすら直結します。最近の車はスマートキーが主流となり、車内に鍵がある状態では施錠されない仕組みが一般的ですが、電池の消耗や電波の干渉、あるいはトランク内に鍵を置いたまま閉めた場合など、予期せぬ条件でインロックが発生するリスクは依然として存在します。まず、こうした事態に陥った際に絶対にやってはいけないのは、針金や定規を使って無理やり鍵穴をいじったり、ドアの隙間を広げようとしたりすることです。現代の車両は複雑な電装系と防犯アラームを備えており、無理な操作は修復不可能な故障を招いたり、激しい警告音を鳴らして周囲に騒動を引き起こしたりする恐れがあります。車内に閉じ込めた鍵を開けるための最も確実な方法は、加入しているロードサービスを利用することです。JAFや任意保険に付帯しているロードサービスであれば、鍵開け作業が無料、あるいは安価で提供されることがほとんどです。電話一本で専門のスタッフが現場に駆けつけ、特殊なエアバッグや専用工具を使って、車体を傷つけることなく解錠してくれます。ただし、スマートキーの全紛失やイモビライザー搭載車の特殊な状況では、その場での対応が難しく、ディーラーへのレッカー移動が必要になるケースもあるため、現在の鍵の種類を正しく把握しておくことが重要です。もしロードサービスが利用できない状況であれば、民間の緊急鍵屋に依頼することになります。この際、車という動産であるため、本人名義の車検証と身分証明書の照合が厳格に行われます。自分の車であることを証明できる書類が車内に閉じ込められている場合は、警察の立ち合いを求められることもあります。また、最近ではメーカーの純正アプリから遠隔でドアを解錠できるサービスを提供している車種も増えています。スマートフォンの通信が生きていれば、業者を呼ばずに数タップで解決できる可能性があるため、自分の車にそうしたテレマティクスサービスが備わっているか、入会しているかを確認しておく価値は十分にあります。