鍵という「モノ」を持たずに、スマートフォン一つで玄関を開けられるスマートロック。その利便性から、導入を検討する人も増えています。では、従来の「カードキー」と、この新しい「スマートロック」では、それを失くしてしまった、あるいは使えなくなってしまった場合の、紛失時の対応に、どのような違いがあるのでしょうか。まず、「カードキー」を紛失した場合。前述の通り、その対応は、比較的アナログです。管理会社に連絡し、申請書を書き、費用を支払い、メーカーから新しいカードが届くのを待つ。そして、その間、古いカードの無効化作業が行われます。プロセスは明確ですが、新しいキーが手元に来るまでに、数週間かかることもあり、その間の不便さは否めません。次に、「スマートロック」の鍵の役割を担う「スマートフォン」を紛失した場合。ここでの対応は、カードキーとは比較にならないほど、スピーディーで、そしてデジタルです。多くのスマートロックシステムでは、ウェブ上の管理画面や、家族の別のスマートフォンから、紛失したスマートフォンの認証を、即座に、そして遠隔で「無効化」することができます。これにより、第三者にスマートフォンを拾われたとしても、家の鍵として悪用されるリスクを、瞬時に断ち切ることができるのです。また、新しいスマートフォンを手に入れたら、再度アプリをインストールし、自分のアカウントでログインすれば、すぐにまた、それを家の鍵として使うことができます。メーカーからの物理的なカードの到着を待つ必要はありません。さらに、スマートロックの多くは、スマートフォン以外にも、暗証番号や、指紋認証、あるいは専用のICタグなど、複数の解錠方法を併用できます。そのため、たとえスマートフォンを紛失しても、別の方法で家に入ることができ、「締め出される」というリスクそのものが、大幅に低減されています。このように、紛失時の対応という観点から見ると、スマートロックは、その即時性と、代替手段の豊富さにおいて、カードキーよりも、はるかに高い利便性と、リカバリー能力を持っていると言えるでしょう。
カードキーとスマートロック、紛失時の対応はどう違う?