道端や、駅のホーム、あるいは商業施設で、一枚のカードキーを拾った。それは、どこかのマンションの、誰かの家の鍵かもしれない。そんな時、あなたならどうしますか。良心に従い、持ち主の元へ返してあげたいと思うのが、人情でしょう。しかし、その「返し方」を間違えると、かえってトラブルを招いたり、拾ったカードキーが悪用される隙を与えてしまったりする可能性があるのです。カードキーを拾った時に、最も安全で、そして正しい行動。それは、「最寄りの警察署、または交番に、遺失物として届け出る」ことです。これが、唯一にして絶対の正解です。なぜなら、警察は、落とし物を持ち主の元へ返すための、最も公的で、信頼性の高いシステムを持っているからです。遺失物として届けられたカードキーは、その特徴がデータベースに登録されます。一方、カードキーを失くした持ち主が、警察に遺失届を出していれば、その情報と照合され、持ち主に連絡がいくことになります。自分で持ち主を探そうとする行為は、避けるべきです。例えば、カードキーに、マンション名や管理会社の名前が記載されていたとしても、直接そこへ届けに行くのは、必ずしも最善策とは言えません。あなたが届けた相手が、本当にそのカードキーの正規の管理者であるという保証はありませんし、対応の過程で、あなたの個人情報が、不必要に知られてしまう可能性もあります。また、絶対にやってはいけないのが、SNSなどで「〇〇マンションのカードキーを拾いました!お心当たりの方はご連絡ください」と、不特定多数に向けて発信する行為です。これは、持ち主以外の、悪意を持った第三者に、「このマンションの、セキュリティを突破できるカードが、今ここにある」と、公に宣伝しているようなものです。非常に危険な行為であり、新たな犯罪を誘発する引き金になりかねません。カードキーは、現金や財布と同じ、非常に重要な価値を持つものです。それを拾ったあなたの責任は、その価値を安全に、そして確実に、公的な機関へと引き渡すこと。その誠実な行動が、どこかで困っている持ち主を救い、そして、社会全体の安全を守ることに繋がるのです。
カードキーを拾った!その時、あなたがすべきこと